日本のものづくりの未来について

昨今のビジネス環境

日本のものづくりの未来について

まずテーマに関係はないのですが、住田先生は人を見抜く力がすごいですよね。
やはりそれは多くの学生さんを指導してきたからでしょうか?

そうでしょうか(笑)。
誰でも「へそ」を持っていて、それが生きている姿勢を表しています。初めて会う人には、そこを見るように接しますから、5分くらい話せば、その人の生きる姿勢の輪郭はだいたい分かります。もちろん、細かいところまでは分かりません。その「へそ」を見る力は、確かに経験から来ているかもしれません。アメリカに20年もいると、多種多様な人種、性格の人に会いますから。

松田電機に来社いただいたときも、すぐに従業員の特性を見抜かれて、それが私のその人について思っていることと、ほぼ、同じでした。とても怖く思いましたよ(笑)。

そんな風に思わないでください(笑)。
さて、早速、日本のものづくりの方向性について議論していきましょう!まず考え方として、トヨタ自動車のような大きなメーカーがどう競争に勝ち抜いていくのかという問題と、松田電機のようなサプライチェーンに組み込まれたデバイスメーカーがどう生き抜いていくかという問題は、分けて考えたほうが良いと思います。

確かにそうですよね。
大企業と中小企業の生きていき方は違うだろうとは思いますが、時代の変化に対応して、経営者の立場から実際にどう経営を変えなければいけないのかを考えることは、簡単ではありません。はっきりした形で戦略の道筋を立てるのは本当に難しい。30年前と比べて、世の中の目まぐるしい移り変わりには驚嘆すべきものがあります。例えば、ガラケーの部品を作っていたメーカーは、スマートフォンの出現によって、一瞬にして淘汰されてしまいました。自動車部品メーカーもそういう時代が来るのではないかと思うと、決して他人事ではありません。

変化の激しい時代には、本質的に不変と思われる方向性を見出すことが大切です。
天候が荒れて航路から外れても、晴れて後、北極星の方向を見定めると修正できるといったイメージを想定すれば良いかと思います。

これに関しては、人間も自然の一部ですから、自然科学の力を借りることが助けになります。例えば、定年退官されましたが、元東工大教授で本川達雄さんという、とても優秀な生物学者います。「ゾウの時間ネズミの時間 –サイズの生物学」(中公新書)という本をお書きになっていて、どんな内容かというと、ゾウというのは平均だいたい30年ぐらい生きます。ネズミは2、3年ぐらい。ぼくらの普通の感覚でいうと、ゾウの方が長生きできていいなぁと思いますけれど、ゾウは身体が大きいから1回の心臓の鼓動で大量の血液を送り出さなければいけない。対してネズミはちょこちょこ動きますから鼓動がとても早い。哺乳類の寿命を1回の鼓動に要する時間を単位として測ると、ほぼ同じになるという事実を、動物生理学の立場から解明した先生です。別の言い方をすると、哺乳類の生涯の心臓の鼓動総数は大体10億回で、ゾウもネズミもほぼ同じということになります。

これは非常に示唆的で、経営方法でも製品でも寿命というものがありますよね。そうすると本川先生の発想をお借りして、経営方法や製品の寿命を何で測ったら不変の物差しになるのかと考えます。私が思うには、情報の伝達スピードと、資本の回転の速さということになります。例えば江戸から赤穂まで早馬を使ったとしても5日、6日かかるような、そういう情報伝達スピードの時代では、封建制度は250年ももってしまうわけです。それに比べて、現在はインターネットの時代で、情報や資本は光速に近い速さで世界中を駆け巡ります。

このような環境の中で、あらゆる製品のライフサイクルはどんどん短くなり、それに伴い、市場環境も短期間で激変し、そこを生き抜く経営戦略も柔軟化することを強いられます。

たしかにそうですね。
昔であれば、トヨタ自動車やフォードやGMがなにをやっているのかは考えもしなかったですけれど、今やTesla、Apple、Googleが自動車産業に関連してどういう動きをしているかに関しても、すぐに伝達され、我々も将来的にどう対応するかを考えていかなければならない時代になりました。

おっしゃるとおりで、中小企業の経営者にとっては極めて困難な時代です。
経営戦略の分野でいうと、「選択と集中」の時代は終わりです。「選択と集中」というのは1980年代にGEの当時CEOだったジャック・ウェルチさんが打ち出した戦略です。ナンバー1・ナンバー2ポリシーという戦略で、世界トップ2に入っていない事業はすべて売却するというものです。

「選択と集中」戦略では、選択し、選んだ分野に集中して資本を投下し、結果を出すことを目指しますから、その効果が出るまでの経営戦略リードタイムは、必然的に長くなります。今の時代、そのように長い時間を要する戦略を以てしては、激しい変化に対応仕切れません。

そうなんですね。
トヨタ自動車さんは水素自動車を作ってみたり、電気自動車に資本投下してみたり、さきほどの話からすると「選択と集中」はしていないように思えます。一方、Teslaのように電気自動車という製品一本でやっている会社も出てきています。トヨタ自動車さんの実力からいえば、そんな企業に負けるわけがないと思いますが、そこのところはどう考えられますか。


大企業/中小企業の勝ち抜き方

日本のものづくりの未来について

市場環境の変化が激しく、過去の成功例が手本とはならない「手本なき時代」に大企業が勝ち抜いていくためには、「収束と拡散」戦略が重要と考えます。
この観点からみると、トヨタ自動車はほんとうに上手にやっていると思います。未来の車のエンジンがどうなっていくかは、誰にも分からないですよ。そうすると、トヨタはちゃんと拡散して、様々な分野へ投資し、何が来ても対応できるような方策を採っていると思います。太陽エネルギーが来ようが水素エネルギーが来ようが、それなりの準備をしつつ、同時にプリウスタイプのハイブリッドのような既存の技術も、しっかり継続的に発展させています。

分からないから拡散的に手を打っていますが、ある時点で見通しが立った時には、それまでの拡散的な積み重ねを収束させることのできる体制。しかし収束させてもまた環境が変わりますから、もう一度、拡散してやらなきゃいけない。大手企業として勝って行く為には、世の中の動向を広く見て、手を広げておいて、いざとなったらすぐ収束させていく。ヘビが獲物を飲み込んだ時に行う蠕動運動のようなものを、ダイナミックに展開できるような経営戦略を持たないと、世の中の変化についていけないと思います。

そうですか。
トヨタ自動車さんは、現在、世界の流れを俯瞰して、来たるべき未来を見据えて経営を行っていると理解すればよいのですね。

あの企業が50年かけて蓄積してきたものには、一朝一夕では真似できない組織力が隠されています。トヨタの凄さというのは、もしアメリカ市場がすべて潰れてしまっても生き残れるような、グローバル体制を既に構築していることにあります。グローバル基盤を整備するためには何が必要なのかを、ちゃんと抑えている企業です。時代を見据えた経営思想を持ち、色々な面で抜きん出ており、様々な面でお手本となるところがありますね。

収束と拡散を蠕動運動的にダイナミックに戦略展開できるような経営基盤を持てるかどうかは、今後、大企業がグローバル競争を勝ち抜けるか否かを決める重要な要素の一つですね。

そのような戦い方は、確かに大企業でないと難しいかもしれませんね。
では、我々のような中小企業の戦い方はどうしたらよいでしょうか。

今後、中小企業にとって重要となる戦略的視点の1つは「7:3原則」です。7割を共通のものとし、3割の部分で個別的な対応を加味することで、効率的に多様な製品市場やプロセス管理に対応できるようにする。これは、もちろん、大企業の採るべき戦略でもあると思いますが、資本の少ない中小企業にとっても実行できる考え方です。

技術やプロセス管理の中核を7割の共通部分とし、3割の部分をカスタマイズする形で、異なる市場や複数のプロセス管理に対応できるようにする。この考え方を、企業文化の基底に据えるように徹底し、全社員で共有することが大切です。製品開発を行う際には、その技術・発想の中核部分を転用することで、全く異なる市場で展開できるような製品化に結び付けられないか。あるいは、あるプロセス管理の体制を構築する際には、その骨子を他のプロセス管理にも適用できないか。全社員が、あらゆる仕事に関してそのような姿勢で取り組むことが重要になると思います。

前世期までは、細分化した市場に対応してマーケットセグメンテーションの重要性が強調され、小さなニーズに1対1で対応するマーケットイン型R&Dが持て囃されました。しかし、市場の細分化がさらに進めば、こうした遣り方では、絶対に利益を生み出すことはできません。なぜなら、実体経済である限り、規模の経済はどこまでも付いて回るからです。

製品を10万個作った時の生産原価は、100個作った時の生産原価より絶対に安くなります。経済成長期における大量生産の時代では、消費者が皆と同じものを欲しがりますから、良い技術で良い物を大量に市場に投入すれば、規模の経済を活かして勝ち抜くことができました。しかし、成熟経済の時代に入ると、消費者は他人と異なるモノを欲しがるようになり、市場が細分化され、マーケットセグメンテーションの重要性が強調されるようになりました。製造の側からこの事象を見ると、多品種少量生産となります。すると、1つ1つの製品の販売量は必然的に少なくなりますから、規模の経済の効果が失われます。

日本ぐらい、多様な清涼飲料製品が販売されている国はないように思いますが、この市場は、マーケットセグメンテーションの強迫観念に支配されているように思われます。ペットボトルのお茶1つでも、何種類も販売されている中で、利益を上げている製品群は一握りで、新製品が出ては消え、短いスパンでどんどん入れ替わっていますね。これはもうやりすぎているわけですよ。

この困難さを克服するためにこそ、「7:3原則」が必要となります。技術やプロセス管理の中核部分を7割共通化することによって規模の経済を活かしつつ、3割のカスタマイゼーションによって市場の襞をなぞるように丁寧な個別対応を実現すること。これが、さらに進む多品種少量生産時代を勝ち抜く鍵となるのでは、と思っています。

日本のものづくりの未来について

松田電機の中核競争力でいうと「一貫した製造プロセス管理」を挙げることができると思います。
お客様から「こんなものを作りたい」と言われれば、設計部隊もいれば優秀な生産技術部隊もいる。それに加え、自社で部品から製品までの製造も行っているので、安価で良い品を製造できると思います。それを、お客様からの個別注文に対して、完全に独立的に行うのではなく、7割は共通部分として他の注文に対しても転用できるように考えて仕事をする。そうした発想を全社員で共有することが大切になるわけですね。

それは重要なコア部分だと思います。
EMS (Electronics manufacturing services)で急成長を遂げた台湾のホンハイが良い例です。格別の独自技術は持っていないかも知れませんが、プロセス管理を磨き上げることで非常に高度なコストパフォーマンスを生み出し、あそこまで大きくなった会社です。

もう少し話を広げると、今後の企業競争力を決める重要な要素としては、「7:3原則」に加えて、「製造業のサービス産業化」に耐えられるかどうかが、大きなポイントになると思います。

サービス産業というと飲食店とか理髪店とかそういうことでしょうか。
製造業がそんなふうになるとは想像もつきません。
そんなことが起こり得るのでしょうか。

ビジネスにおいては、入金と支払いの時間間隔を短くすれば、利益を上げ易くなります。
製造業に比べて、サービス産業は、この時間差が非常に短いという点に特徴があります。極言すれば、先に入金があり、利益を取った上で、後から支払いが行われるようになれば、自己資金が不要になりますから、経営は非常に楽になります。多くのサービス産業では、初期投資を済ませてしまえば、この形でキャッシュフローを形成することが可能になっています。飛行機、新幹線、劇場の予約等、消費者は余り意識しないでこの形式を受け入れています。飲食店や理髪店では、サービス提供の後に入金されますが、日銭と言う言葉に象徴されるように、その時間差は極めて短いのです。

一方、製造業では、昔から真逆の形態を耐えています。自己資金で工場を建て、生産設備を整え、必要な人材を雇用し、原材料を購入し、生産し、配送し、ようやく売り上げが立っても、支払いは約束手形で6か月後、などというケースが一般的であったわけです。
インターネットの時代に入り、情報や資金が高速に流れるようになって、製造業のサービス産業化を実現する基盤が整えられました。先鞭を付けたのは、アメリカのパソコン企業であるDELL社ではないかと思います。DELL社の主要ビジネスはB-to-Bで、例えばある企業の総務がDELL社のパソコンを20台ネットで注文するとします。様々なスペックを特定した上で内容を確定し、購入ボタンをクリックすれば、同時に企業の銀行口座からDELL社への支払いが行われます。DELL社は注文内容を生産部門に流し、下請けを含む生産活動を組織して製品を準備し、1週間程度の内に配送が行われます。製造業でも、入金が先で支払いが後のモデルが出現したわけで、これが、製造業のサービス産業化の内実です。

パソコンだけではなく、プリンターの世界でも同じようなことが行われています。ネットで注文されたプリンターが、1日の終わりに工場で集約され、MRP (Material Resource Planning) ソフトを回して翌日の生産活動が準備されます。生産リードタイムは1日で、翌日の終わりには梱包が完了し、翌々日には配送されます。

製造業のサービス産業化の鍵は、市場リードタイムの短縮です。市場リードタイムというのは、需要が発生してからお客さんに製品が届くまでの時間ですね。顧客企業は、1週間以内に製品が届くのであれば、ネットを通した先払いをそんなに苦にすることはありませんが、それ以上であれば、不確実性が増し、先払いをためらうかも知れません。市場リードタイムの構成要素は、調達リードタイム、生産リードタイム、配送リードタイム等で、これらの全てを効率化しないと市場リードタイムの短縮化は図れません。

伝統的なサプライチェーンにネットビジネスが急速に浸透しつつある現在、製造業のサービス産業化は、ますます拡大する傾向にあります。そして、市場リードタイムの短縮化を実現できない企業は、この流れの中で、厳しい競争に勝ち残ることができません。

確かにそうですね。
我々、自動車部品の中小企業もそういう時代が来ることを予測して、戦略を立てていかないといけないですね。「製造業のサービス産業化」の時代であっても、7:3原則を念頭に進めれば、うまく、生き抜いていける気がします。

その通りです。
先ほど話に出たプリンターでも、市場のセグメント化の流れの中で、製品種類は極めて多いのですが、7割はスケルトンと呼ばれる共通設計を採用し、3割をカスタマイゼーションすることで多品種化に耐えています。

自動車でも、アメリカ、EU、アジア、等の市場に対して、それぞれの環境特性を配慮して、独立的に新車設計を行ってきた従来の方式を改め、共通プラットフォームを採用する方法が一般的になってきています。

普段、会社にいるだけでは想像もつかない話が出てきましたね。
今後の経営戦略を考える際に、非常に参考になります。


松田電機工業所の良いところ悪いところ

日本のものづくりの未来について

それでは最後に、気付いた範囲で松田電機工業所の良いところ、悪いところについてお話ししましょうか。まず、松田電機工業所の一番の強みは、ボトムアップで磨き抜かれた製造工程のプロセス管理にあると思います。

アメリカでは、専門家集団の分業体制をスムーズに繋ぐことが組織運営の基本になりますから、MITやハーバードといった一流大学卒の生産技術者が、製造ライン設計の時点で技術標準や作業標準を設定します。それを現場の作業者が変えるなどということは、とんでもないことで、あり得ません。

この多品種少量生産の時代では、どんなに優秀な生産技術者であっても、目まぐるしく変化する生産現場の実情をきめ細かく把握することは不可能で、結局、平均値的なアプローチで技術標準や作業標準を設定せざるを得ません。トップダウンで情報基盤の整備からプロセス管理まで決めてしまいますから、現場では、どうしても「帯に短し襷に長し」といった側面が出てきてしまい、具体的なプロセス変化の襞をなぞるように追いかけて最適方策を追及するといったことができません。

日本の製造現場では、現場で技術を叩き上げた生産技術者が、自分たちの現場の多品種少量生産の特性に合った形で技術標準や作業標準を作り上げ、決定後の変化に対しても、QCサークル活動等を通して、現場作業者全員が参加してアイデアを持ち寄るボトムアップ方式で対応しており、松田電機工業所もやはり同様の強みを発揮していると思います。

確かに弊社の場合は、生技部隊が組付ラインや金型を作るときからすでに現場側の意見が相当入り、さらに作り終わった後でも作業者からのやりにくい作業などを現地現物で毎日、改善していきます。

それを蓄積して次の新製品の際は、過去のトラブルを生技の人間が学習して反映させることにより、さらに良い組付ラインができあがっています。現場の女性陣は本当にまじめで、改善活動に関する現場と生技の喧嘩は日常茶飯事ですね。でもそれは「良いものをつくりたい」というみんなの共通認識の上でだと思います。

現場には、本当に優れた技術を持つ人が何人かいると思います。現場を監督されている栗元さん(松田電機 製造統括重役)は、トヨタ自動車の管理者以上の改善スキルを持っていますし、彼の薫陶を受けて、若手の生産技術者も、Fault Tree Analysis を駆使したプラスティック成型過程のプロセス改善や、組立工程の2階層化による効率化等、素晴らしい成果を挙げています。毎回来るたびに、新たな改善結果を反映して現場が様変わりしており、いつも感嘆しております。

問題点があるとすれば、それは改善活動の展開が属人的要素に支配されていることだと思います。「この人がいないとできない仕事」というのが多過ぎる気がします。そうなると、仮にできる人が会社を辞めてしまうと、改善スピードが一気に落ちてしまいます。改善活動を展開する際に、強力なリーダーは当然、必要ですが、同時に、改善活動を組織化するプロセスそのものを制度化し、属人性への依拠を軽減していく努力も必要です。

確かにそうかもしれません。
中小企業だと人が足りないというのを言い訳に、できる人にどんどん仕事を頼んでしまう。そうなるとその人にばかり仕事が集中し、周りは育っていかないという状況が発生していると思います。

属人性を排除するためには、システムの状態を把握し、改善を図り、その効果を測るプロセスを制度化する必要があります。そこへ向かう第一歩としては、

1)どのようなデータを収集し、
2)集めたデータをどのように集積・管理し、
3)そこから如何に改善に活かせる指標を抽出し、
4)どのようにして、その改善効果を経済的に評価するか、

というプロセス全体を考え抜いて体系化することが必要です。
さらに、工場全体のキャパシティを把握した上で判断できる人間を増やすことが、会社のレベルアップに繋がります。例えば、仕事を平均的に受注できれば良いわけですが、現場の現時点での生産キャパシティの把握が不十分で、仕事を受注し過ぎてしまうこともあると思います。そうなると、工場全体をどうコントロールし、どのように無理なくオーバーフローを克服するか、担当部門を越えた全体的な判断が必要となります。

作業者はラインリーダーの目で、ラインリーダーは課長の目で、課長は部長の目で、部長は経営者の視線を持つ。社員全員が、自分の仕事を部分集合として含む1つ上の段階の視線を獲得し、目前の仕事とそれを含む上の段階の仕事の間を行ったり来たりしながら良い仕事を目指す。そんな風潮が企業文化の土台になるように、全社員が一丸となって努力することが重要だと思います。

それはその通りですね。
前に別の方が来社されたときに「松田電機はアナログの世界では抜きん出ているね」と褒めているのかどうかよくわからないことを言われたことがあります(笑)。住田先生が指摘されたことを、次に我々が取り組むべき課題として捉え、松田電機工業所を、新たな時代を生き抜いていけるような強い企業に育て上げたいと思います。



日本のものづくりの未来について
米国ロチェスター大学、マサチューセッツ工科大学など、米国にて応用数学、情報科学、経営学の研究をするとともに、コンサルタントとしても活躍。1991年から国際大学にてMBAプログラムの指導にあたり、1995年には、同大学国際経営学研究科長に就任。2001年7月から筑波大学大学院システム情報工学研究科教授に就く。

大学院教育充実への貢献を第一優先順位とし、学類から博士までの一貫教育を実現する研究室運営を行っており、2015年3月までに、博士学生 16名、修士112名、学類114名が研究室から巣立っている。研究領域は、応用数学からマーケティング、金融工学、生産システム、ロジスティクス、IT、組織論等、多岐に亘り、学際領域で新たな化学反応を起こす知的創造を目指して教育・研究活動を展開し、160本を越える学術論文を査読付き専門誌に発表する一方、講演会や大手企業におけるコンサルティング・幹部育成プログラムの指導など、ビジネス界においても幅広く活躍している。

1988年、応用数学・確率過程論分野における研究生産性で世界第3位となったのを始め、国際学会において、最優秀論文賞等、数多くを受賞している。2006年度日本オペレーションズ・リサーチ学会事例研究賞受賞、2012年、筑波大学SS教員として学長顕彰を受けている。2015年4月より現職。

日本のものづくりの未来について
1982年に専修大学 経営学部卒業後、日本電装(現在のデンソー)へ入社し生産管理部 生産調査課に配属。安城製作所のオルタネーター製作現場、西尾製作所のガソリン燃料噴射装置製作現場、本社の電子事業部と3拠点をまわり現場改善に従事。1984年に同社退社後、松田電機工業所へ入社。

組み付け現場、工務、営業、システムの業務を経て1998年より現職である代表取締役社長へ就任。
2007年からグループ会社である松栄電工の代表取締役社長を兼任。2017年4月から主要取引先である東海理化の仕入先総会会長に任命される。社訓「一隅を照らす」を掲げ、創業から71年となる現在に至るまで、先代に続き会社を引っ張ってきた。

趣味はウォーキング、庭掃除、宗教研究。座右の銘は「電信柱が高いのも、郵便ポストが赤いのも社長の責任である。」月に一度の全社員が集まる全社朝礼では名古屋弁で演説を行う生粋の名古屋人。